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金玉(睾丸)の片方だけ痛い原因

睾丸が痛いのは病気?)

金玉(睾丸)の片方だけが痛むのはなぜ?

片方の金玉、つまり片側の精巣・睾丸に痛みを感じると、多くの男性方は驚きや不安を覚えます。しかし、精巣は左右で完全に独立した臓器であり、それぞれが別々の血管・神経・精管で支えられています。したがって、片側のみに異常が起こることは決して珍しくありません。たとえば、血流の異常、尿路性器の感染、外傷や捻転症、または周囲組織(鼠径部・副睾丸など)の炎症が原因となる場合が多いのです。
精巣は温度や血流の変化に非常に敏感な臓器です。わずかな圧迫や血流障害でも強い痛みを感じやすく、放置することで組織が壊死することもあります。痛みが「突然」現れたか、「徐々に」現れたか、「持続的」なのかで、疑われる疾患は大きく異なります。特に、突然の鋭い痛みや強い腫れを伴う場合は、数時間以内の処置が必要な緊急疾患の可能性があります。

精巣と精巣上体の構造を理解しよう

精巣

精巣は男性ホルモンであるテストステロンの分泌と精子の産生を行う、男性生殖機能の中心的臓器です。その後方には「精巣上体」と呼ばれる組織があり、ここで精子が成熟・貯蔵されます。この精巣上体は非常にデリケートで、感染や炎症の影響を受けやすく、特に細菌性の尿路感染や性感染症によって片側だけに炎症が生じることがあります。

精巣上体

精巣上体炎では、痛みのほかに「精巣の後ろが腫れて熱をもっている」「歩行や下着の擦れで痛みが増す」といった特徴的な症状がみられます。炎症が進行すると、精巣全体が腫れあがり、見た目では左右差が明らかになります。逆に、精巣の構造自体には異常がなくても、周囲の血管や精索が原因で痛みが出ることもあります。これがいわゆる精索捻転や精索静脈瘤などのケースです。

巣鴨駅前たかはし泌尿器科の金玉・睾丸イラスト

痛みの性質でわかる異常の種類

痛みの性質を丁寧に問診することは、原因を推定する上で非常に重要です。例えば、「急激に始まった強い痛み」は精索捻転を疑うべきです。精索がねじれて血流が遮断されると、精巣組織が急速に虚血に陥ります。6時間を超えると組織壊死が始まり、元に戻すことが難しくなり最悪の場合精巣を摘出しなければならなくなります。


一方、「重だるく続く痛み」は慢性的なうっ血や炎症を示すことが多く、精索静脈瘤や慢性精巣上体炎が背景にあることが少なくありません。

また、「触ると痛い」という症状が強い場合、感染による炎症が進行している可能性があり、発熱や悪寒を伴うこともあります。痛みが動作や体位によって変化する場合には、周囲の構造(鼠径部や神経)の筋骨格系が関与しているケースもあります。

片方の金玉が痛い主な原因の疾患

①精巣上体炎

成人男性に多く見られ、細菌感染によって精巣上体が腫れる疾患です。排尿時の違和感や尿の濁りを伴うことが多く、特にクラミジアや大腸菌などが原因となります。精巣の後方が硬く腫れ、体温上昇とともに陰嚢が赤く熱をもつのが典型的な症状です。抗菌薬治療で改善しますが、治療が遅れると膿瘍(膿の塊)を形成したり、精巣そのものまで炎症が広がることがあります。性交渉後に発症する例も多く、再発を防ぐためには原因菌の特定とパートナーの治療が重要です。

②精索捻転

思春期から青年期の男性に多く発生する、泌尿器科領域の緊急疾患です。突然片方の金玉が引きつるように激しく痛み、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。お腹の症状が強く出ることもあり、本人が腹痛と間違えて症状を伝えてしまい発見が遅れる事があります。患側の精巣が高い位置に持ち上がって見えるのが特徴で、触れると非常に強い痛みを感じます。放置すると数時間で精巣の血流が途絶え、不可逆的な壊死に陥るため、早急な手術が必須です。時間との勝負になるため、夜間であっても救急外来を受診することが勧められます。

③精巣炎

おたふく風邪(ムンプス)後に発症することが多く、思春期以降の男性で見られます。発熱、悪寒、全身倦怠感とともに金玉の片側が強く腫れ上がり、数日間続く強い痛みを伴います。ウイルス性のため抗菌薬は効果がなく、安静と冷却、痛み止めの使用が中心となります。まれに精子をつくる能力が一時的に低下することがあり、左右どちらかが強く侵されることが多い点も特徴です。

④陰嚢水腫・精索静脈瘤

慢性的な重だるさや違和感を訴える場合は、陰嚢内部に液体がたまる「陰嚢水腫」や、精巣の周囲静脈が拡張する「精索静脈瘤」が原因となることがあります。特に精索静脈瘤は左側に多く見られ、立ち仕事や長時間の座位で症状が増すことがあります。手術が必要になるケースもありますが、多くは経過観察で済みます。ただし不妊の原因となることがあるため、長期的な管理が重要です。

⑤鼠径ヘルニア

足の付け根の筋肉の隙間から腸や脂肪が飛び出す状態を指します。咳やくしゃみ、立ち上がりなどで痛みが強くなるのが特徴で、放置すると腸が締め付けられ「嵌頓(かんとん)」という危険な状態になることもあります。精巣そのものではなく、周囲組織の圧迫によって痛みを感じるケースですが、本人にとっては「金玉が痛い」と感じられることが多いのです。

⑥精巣がん

片側の陰嚢痛は多くの場合、精巣上体炎や精索捻転などの良性・救急疾患が原因ですが、例外的に精巣がんが背景にあることもあります。一般に精巣がんの初発は「痛みのないしこり」や「張った感じ」が典型で、痛みだけが長く続くケースは多数派ではありません。それでも腫瘤を伴う片側の違和感や、治療で引かない痛みが続く場合は、がんを除外する目的での評価が推奨されます。精巣がんは若年〜壮年男性に多い一方で、早期に見つかれば極めて治癒率が高い腫瘍です。

精巣がんは一般に「無痛性の腫瘤」として見つかることが多く、痛みは必発の症状ではありません。

※精巣がんについて詳しくはこちら

医療機関を受診すべきサインと緊急度の見分け方

金玉の片側が痛いとき、最初に大切なのは「時間経過」と「痛みの強さ」を見極めることです。突然発症し、冷や汗や吐き気を伴う激痛であれば、精索捻転の可能性が高く、すぐに救急外来を受診すべきです。逆に、数日かけて徐々に痛みが強くなったり、発熱を伴っている場合は、感染による精巣上体炎や精巣炎の可能性があります。この場合も早めに泌尿器科の受診が望まれます。また、痛みが慢性的で軽度な場合でも、2週間以上続くようであれば、精索静脈瘤や腫瘍の初期症状の可能性を否定できません。自己判断で鎮痛薬を使い続けることは避け、原因を明確にすることが大切です。

自宅での応急的ケアと控えるべき行動

急性の痛みがあるときに最も重要なのは、安静を保つことです。痛む側の精巣を支えるように下着を工夫し、過度な刺激や圧迫を避けることで痛みを和らげられます。入浴やマッサージは逆効果になる場合があり、炎症を悪化させることがあるため控えましょう。また、痛みがある状態で性行為を行うと感染が拡大する恐れがあります。自己判断で温めたり、サプリメントや民間療法に頼ることは避け、医学的な診断を受けたうえで適切に対処することが望ましいです。

適度な温度管理と清潔な生活習慣

きつい下着や長時間の入浴、過度な自転車運転などは、陰嚢内の温度を上昇させ、精巣血流に悪影響を及ぼすことがあります。また、性感染症の予防も大切であり、特にコンドームを使用することは精巣上体炎の発症予防にもつながります。運動中の外傷にも注意が必要で、コンタクトスポーツや自転車競技では、プロテクターの着用が望まれます。

金玉の痛みについてのよくある質問

尿に血が混じっているのを発見したら、決して放置しないでください。まず落ち着いて、以下の点を確認しましょう。

Q1.金玉が片方だけ痛いけど、自然に治ることはありますか?

軽度の炎症やうっ血が原因の場合は自然に軽快することもありますが、数日で改善しない場合は必ず受診してください。放置により慢性化・重症化することがあります。

Q2.痛みはあるが腫れていない場合、何が考えられますか?

神経痛や精索の軽いねじれ、精巣静脈瘤などが考えられます。泌尿器科で超音波検査を受けると原因が明確になります。

Q3.発熱を伴う片側の痛みは危険ですか?

感染性疾患の可能性があり、抗菌薬治療が必要な場合があります。市販薬で対応せず、医師の診断を受けてください。

Q4.片方の金玉が下がって見えるのは異常?

多くの場合は正常範囲ですが、急に位置が変わったり痛みを伴う場合は精索捻転などの兆候の可能性があります。

Q5.予防のために日常的にできることはありますか?

下着を通気性の良いものに変え、長時間の圧迫を避けること。清潔を保ち、感染を予防することが基本です。

Q6.どの診療科を受診すればよいですか?

泌尿器科が最も適しています。夜間の急激な痛みであれば、救急外来もご検討ください。

当院(巣鴨駅前たかはし泌尿器科)の外来でも金玉、睾丸の痛みに関するご相談・検査を承っております。「いつもと違和感があるかかも?」と不安に感じたら、お一人で悩まずにまずはご連絡ください。早期発見・早期治療が何より大切です。

ご予約はこちらから

https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg09347

 

文責
巣鴨駅前たかはし泌尿器科
院長 髙橋 遼平