血尿とは
✅尿がピンク色な気がする(薄い血液混入で尿が淡いピンク色になる場合)
✅尿に明確な赤みがある。(多量の血液で赤~茶褐色に見える場合)
✅見た目は問題ないのに健康診断で「尿潜血陽性」と指摘された(肉眼では正常でも検査で赤血球検出)
血尿には大きく分けて「肉眼的血尿」と「顕微鏡的血尿」の2種類があります。それぞれ原因や対処法が異なるため、まずはこの違いを理解することが大切です。
顕微鏡的血尿と肉眼的血尿の違い
肉眼的血尿
肉眼的血尿は、文字通り肉眼で尿の赤色変化が確認できる血尿です。尿が赤~ピンク、茶色に変色しており、患者さん自身が「血が混じっている」と認識できます。通常、尿試験紙で検査すると潜血反応が強陽性となります。一方、顕微鏡的血尿は見た目には普通の尿でも、顕微鏡検査で赤血球が多数確認される血尿です。具体的には尿沈渣(尿を遠心分離した沈殿物)を顕微鏡で観察し、1視野あたり3~5個以上の赤血球が認められる場合に顕微鏡的血尿と定義されます。健康診断や人間ドックの尿検査(尿潜血陽性)で偶然見つかることが多いのが特徴です。
顕微鏡的血尿
顕微鏡的血尿は見た目には普通の尿でも、顕微鏡検査で赤血球が多数確認される血尿です。具体的には尿沈渣(尿を遠心分離した沈殿物)を顕微鏡で観察し、1視野あたり3~5個以上の赤血球が認められる場合に顕微鏡的血尿と定義されます。健康診断や人間ドックの尿検査(尿潜血陽性)で偶然見つかることが多いのが特徴です。
発症頻度の違い
肉眼的血尿は比較的まれですが、顕微鏡的血尿は成人の健常人でも約4~10%前後で認められるとの報告があります。顕微鏡的血尿は症状が乏しく見逃されやすい一方、肉眼的血尿は明らかに異常がわかるため放置されにくいという違いもあります。
原因の重篤度
肉眼的血尿は緊急度が高い傾向があります。尿が目に見えて赤い場合、尿路結石、腎・膀胱腫瘍(がん)、腎盂腎炎など比較的重大な疾患が原因となっている可能性が高いため、早急な検査が推奨されます。実際、肉眼的血尿を呈した患者さんの約10~20%で尿路の悪性腫瘍(例:膀胱がん)が見つかったとの報告もあります。また肉眼的血尿には、片側の背中や脇腹の激しい痛み(側腹部痛)、発熱、頻尿・排尿痛など他の症状が伴うことも珍しくありません。これらの場合、放置せず超音波検査やCT検査、必要に応じて膀胱鏡検査(膀胱の内視鏡検査)を速やかに行い、原因疾患に応じた治療(結石に対する衝撃波破砕術、感染症に対する抗菌薬、腫瘍に対する切除術等)を開始する必要があります。
一方、顕微鏡的血尿は原因が多岐にわたります。成人では先述のように一定頻度で見られ、原因が特定できないまま経過観察となる例もあります。しかし中には慢性糸球体腎炎(IgA腎症など)や高血圧性腎障害といった腎臓の慢性疾患、軽度の膀胱炎や前立腺炎、さらには一部の薬剤による腎機能への影響など、良性のものから重篤なものまで幅広い原因が潜んでいます。また、顕微鏡的血尿の段階では自覚症状に乏しいため、患者さん自身が異常に気づかず見逃してしまうリスクがあります。
検査・経過観察の流れ
健康診断などで顕微鏡的血尿を指摘された場合、まずは受診いただき、再検査で経過を確認します。激しい運動直後や女性の場合は月経中は避け、2回以上の尿検査を行い、それでも赤血球が検出されるか(血尿が持続するか)を確認します。持続して顕微鏡的血尿が見られる場合には、血液検査で腎機能(クレアチニン値など)や免疫学的検査(自己抗体など)を調べます。腎臓からの出血が疑われる場合は尿蛋白の有無や赤血球の形態も判断材料にします。顕微鏡下で赤血球の形がおかしい(赤血球変形像が多い)場合は糸球体(腎臓のフィルター部分)からの出血が示唆され、逆に赤血球の形がきれいなドーナツ型(変形のない円形)の場合は腎盂・尿管・膀胱・尿道など腎臓よりも先の尿の通り道(尿路)からの出血が疑われます。実際、糸球体由来の血尿ではコブ状・断片状・ねじれ状など変形赤血球が多く、尿路(腎盂・尿管・膀胱など)由来では赤血球に変形が認められないことが知られています。さらに感染の可能性があれば尿培養検査を行い細菌の有無や種類を確認します。原因不明の血尿が続く場合には、尿中にがん細胞が紛れていないか尿細胞診でチェックし、泌尿器系の腫瘍を見逃さないようにします。
こうした初期検査で明らかな異常所見がなければ、一旦は定期フォローとしつつ生活習慣の改善(血圧管理、適度な水分摂取、適正体重の維持など)に努めることになります。特に高血圧や糖尿病などのある方では生活習慣の改善が腎機能保護に役立ち、血尿の軽減につながる場合があります。ただし、血尿が持続するケースや血液・尿検査で他の異常が見られた場合には、追加で画像検査(後述)としてCTやMRI検査を行ったり、必要に応じて腎臓内科や泌尿器科の専門医に紹介して詳しい検査を受けることを検討します。肉眼的血尿であれ顕微鏡的血尿であれ、自己判断せずに泌尿器科専門医の評価を受けることが重篤な病気を見逃さないために非常に重要です。
心理的ストレスと泌尿器疾患の関連性
「精神的ストレスが血尿を引き起こすか?」という疑問について、現時点で直接的な因果関係を証明した大規模研究は存在しません。つまり「ストレスで血尿が出る」という明確な医学的エビデンスは乏しいのが現状です。しかし、いくつかの興味深い症例報告や小規模研究で、ストレスと泌尿器の症状に関連が示唆されたものがあります。以下にその例を紹介します。
症例報告:「Brain–bladder axis」
2018年に報告された症例では、24歳の男性が強い不安症状に陥った直後に肉眼的血尿と顕微鏡的血尿の両方を呈したケースがありました。尿検査では1視野あたり50個以上の赤血球が検出されましたが、腹部エコーや尿路造影検査では明らかな異常所見がなく、膀胱鏡検査でも腫瘍や膀胱炎は確認されませんでした。代わりに膀胱の筋層収縮亢進(過敏な膀胱)が認められ、尿細胞診でも悪性細胞は陰性でした。心理療法(カウンセリング)を数回行い不安症状が軽減するとともに血尿は次第に消失し、その後1年間の経過観察でも再発しなかったと報告されています。著者らは、この患者では強い不安ストレスが膀胱粘膜の防御機能を破綻させた可能性を指摘し、「脳‐膀胱軸(Brain–bladder axis)」という概念でストレスと膀胱の関係性を考察しています。しかし、これは単一の症例報告に過ぎず、ストレスが血尿を起こす明確な証拠とするには不十分です。
身体的ストレスの例:「ランナー血尿(Athletic pseudonephritis)」
心理的ストレスではありませんが、激しい運動による肉体的ストレス下で血尿が生じる現象は古くから知られています。例えば、マラソン完走直後のランナー383名を調べた1980年の研究では、17%もの人に一過性の顕微鏡的血尿が認められました。長時間の持続的な運動による腎臓・尿路への微小な負担や一時的な血流変化が原因と考えられており、この現象は「ストレス血尿」(運動性血尿)の古典的な例とされています。ただし、これも身体的ストレス下での一過性現象であり、心理的ストレスとは異なるメカニズムです。またこの研究自体も観察報告に過ぎず、エビデンスレベルは高くありません。以上のように、精神的ストレスと血尿の因果関係を直接示す有力なデータは不足しています。pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
では「ストレスで血尿が出る」という俗説には全く根拠がないのかというと、間接的な関連は考えられています。主にストレスが引き起こす体の変化によって、結果的に泌尿器系の病気リスクが高まり、その結果血尿を見ることがあるという考え方です。
免疫機能への影響(感染症リスクの増大)
pmc.ncbi.nlm.nih.gov
つまりストレスで体の防御力が下がり、細菌やウイルスに感染しやすくなるということです。その結果、尿路感染症(膀胱炎や腎盂腎炎など)を発症しやすくなります。膀胱炎や腎盂腎炎では粘膜の炎症により血尿(微量~肉眼的)が生じることがあり、間接的にストレスが血尿の一因となり得ます。実際、膀胱炎が原因の血尿であれば、感染治療(抗菌薬)によって血尿も改善します。ストレス自体が直接尿路に菌を発生させるわけではありませんが、「ストレスケアも膀胱炎など尿路感染予防には重要」と言えるでしょう。
行動の変化(生活習慣への影響)
下部尿路機能への影響
以上をまとめると、「血尿が出るほど○○した(例:働いた・緊張した)」といった表現はあくまで比喩表現であり、仮に血尿が出たとしてもそれは身体的なストレスや器質的な異常が背景にあるケースがほとんどです。精神的ストレスそのものだけで血尿が起こるとは考えにくく、実際に血尿が認められた場合にはやはり何らかの身体的原因をしっかり調べる必要があります。
ストレスによる血尿の主な原因
血尿が確認された場合、まず疑うべきは一般的な泌尿器系の病気です。代表的な原因には「腎臓結石」、「尿路感染症(膀胱炎など)」、「腎・尿路の腫瘍」、「前立腺肥大症」など多岐にわたります。その中でも、ストレスとの関連で悪化しやすいと考えられるものとして今回は腎臓結石と膀胱炎を取り上げ、解説します。ストレスで血尿が出たと感じる場合、その裏にはこれらの疾患が隠れていることが多いのです。
腎臓結石(尿路結石)
腎臓結石とは、尿中のカルシウムやシュウ酸、尿酸などの成分が結晶化し石(結石)となって腎臓や尿管に詰まる疾患です。結石が尿管に詰まると激しい側腹部から背中にかけての痛み(疝痛発作)や血尿を引き起こします。ストレス過多の状況下では、以下の点で結石形成・発作のリスクが高まります。
- 水分摂取の低下: 忙しさやストレスによる食欲不振・胃腸不調などで、水分補給が不足しがちになります。尿量が減り尿が濃くなると、結石の元となる成分が濃縮されて石が形成されやすくなります。
- 食生活の乱れ: ストレスでジャンクフードや肉中心・塩分過多の食事が増えると、尿中に排泄されるカルシウムや尿酸が増えて結石ができやすくなります。また野菜や果物不足によるクエン酸不足も結石形成のリスク要因です。
- 血流低下による粘膜ダメージの遷延: ストレスで交感神経が優位になると全身の血管が収縮しやすくなります。腎臓や尿管の細かい血管も収縮すると、結石が尿路粘膜に擦れてできた傷の治癒が遅れ、出血(血尿)しやすくなる可能性があります。
こうした背景から、結石発作時には肉眼的血尿がしばしば見られます(尿が真っ赤、あるいはコーラ色になります)。加えて激しい側腹部~背部痛を伴うのが典型的です。腎臓結石の予防には日頃から十分な水分を摂ることが何より重要です。尿量を増やし尿を薄めておくことで、結石の形成を防ぎ既存の小さな結石も押し流しやすくなります。またバランスの良い食事(野菜や果物、適度なカルシウム摂取)と適度な運動も有効です。ストレスで乱れた生活を整えることが、結石による血尿の予防につながります。
膀胱炎(尿路感染症)
膀胱炎は主に大腸菌などの細菌が尿道から膀胱に入り込んで起こる感染症で、女性に多い疾患です。通常は頻尿、排尿時痛、残尿感などの症状が出ますが、粘膜の炎症が強くなると血尿が混じったり、高熱が出て腎盂腎炎に進展することもあります。ストレスが膀胱炎に関与するポイントは以下の通りです。
免疫力の低下による感染リスク増加
前述したように、慢性ストレスは体の免疫防御機能を低下させます。その結果、健康なときにはご自身の免疫力で撃退できていた程度の細菌でも膀胱内で増殖を許してしまい、膀胱炎を発症しやすくなります。ストレスが直接細菌を増やすわけではありませんが、「土台となる体の守り」が弱ることで感染症にかかりやすくなると考えてください。膀胱炎になれば炎症で出血しやすくなり、尿に血が混じる場合があります。
頻尿や残尿による粘膜への刺激
ストレスを感じるとトイレが近くなる人もいます。緊張で交感神経が高ぶり膀胱が過敏になるためですが、頻繁に排尿を繰り返すと膀胱粘膜は何度も伸縮を強いられます。その結果、粘膜に微細なダメージが蓄積し、わずかながら出血を起こす可能性があります。特に明らかな膀胱炎ではないのにストレス時に尿に微量の血が混ざったケースでは、こうした機能的な頻尿による粘膜損傷が一因かもしれません。
膀胱炎の初期段階では上述のような排尿痛・残尿感などが主な症状ですが、進行すると血尿が見られたり、腎臓まで感染が波及して発熱を伴うこともあります。ですから「軽い膀胱炎かな?」と思っても侮らず、早めに泌尿器科を受診して適切な抗菌薬治療を受けることが大切です。再発を繰り返す膀胱炎に悩んでいる方は、日頃からストレスを溜めない生活を心がけることで再発予防につながる可能性もあります。
血尿の診断と検査
血尿の原因を正確に突き止めるには、問診・身体診察に加えて様々な検査が必要です。当院では以下のような検査を組み合わせて総合的に診断します。
尿検査(尿一般・尿沈渣)
尿検査は血尿の有無や程度を調べる基本中の基本です。まず、尿試験紙を用いた簡易検査で潜血反応の有無を確認します。
当院では、より正確な評価のためフローサイトメトリー法による尿沈渣検査を行っています。フローサイトメトリー法では、尿を流路に通してレーザー光を照射し、散乱光や蛍光を測定することで、赤血球・白血球・細菌などの粒

子を自動的かつ迅速にカウントします。これにより、従来の顕微鏡観察と比べて短時間で高精度な測定が可能になり、検査者によるばらつきも最小限に抑えられます。
また、正確な検査のためには採尿時の条件も重要です。激しい運動直後や女性の月
経中は、一時的に血尿が出たり外陰部からの出血が混じって偽陽性になることがあります。そのため、検体採取のタイミングに配慮し、不必要な再検査を避けるようにしています。
尿沈渣での観察ポイント
赤血球が確認された場合、その形態も分析します。赤血球の見た目が正常な円形を保っているか、形がいびつに変形しているかで出血源のおおよその推定が可能です。具体的には、赤血球に変形が認められる(大小不揃いでギザギザになっている等)場合は腎臓の糸球体からの出血を示唆し、逆に赤血球の形がほぼ正常(均一な円形)であれば腎盂・尿管・膀胱・尿道など糸球体以降の尿路からの出血である可能性が高いと判断します。さらに、尿沈渣では赤血球以外にも細菌や白血球、結晶、円柱(蛋白の塊)などの有無も調べます。たとえば細菌や白血球が多ければ感染症を疑いますし、赤血球円柱や蛋白尿を伴えば腎臓(糸球体)由来の出血を強く示唆します。
尿培養・尿細胞診

初期の尿検査で膀胱炎など感染症が疑われた場合、尿培養検査を行います。これは尿を培地で培養して、どの細菌が原因か、そしてどの抗生物質が効くかを調べる検査です。適切な薬剤選択に役立ちます。また、肉眼ではなく顕微鏡的血尿が長期間持続する場合や、喫煙歴のある中高年の方で血尿が見つかった場合などは、念のため尿細胞診という検査も考慮します。尿細胞診では尿中に剥がれ落ちた細胞を特殊な染色で調べ、がん細胞の有無をチェックします。膀胱がんなど尿路の腫瘍があると、尿中に悪性細胞が出てくることがあるためです。尿細胞診は膀胱がんのスクリーニングに100%ではないものの参考になります。
画像診断(超音波・CT・MRI)
血尿の原因を調べるため、必要に応じて画像検査も行います。当院ではエコー検査を実施可能です。CTやMRIが必要な場合は徒歩圏内の連携先の医療機関にご紹介いたします。
超音波検査(エコー)
体に負担が少なく、その場で結果が得られる検査です。腎臓や膀胱の形態異常の有無を観察し、腎結石・尿管結石の有無、腎盂の拡張(水腎症)や腫瘍らしき陰影がないかを調べます。膀胱内も観察でき、大きな腫瘍や結石があれば描出可能です。また、必要に応じてドプラ法(カラードプラエコー)で腎臓の血流状態を評価することもできます。
CT検査
X線を利用した断面撮影法で、尿路結石の位置・大きさを高精度に把握できます。また造影剤を用いることで腎臓・尿管・膀胱の腫瘍や炎症所見(腎盂腎炎で腎臓が腫れている等)を確認することも可能です。特に肉眼的血尿の場合、CTで腫瘍がないかチェックすることは重要です。CT検査は放射線被ばくがありますが、画像情報が多く診断の助けになります。必要性が高い場合には専門医療機関でのCT撮影を検討します。
MRI検査
磁気共鳴画像による検査で、被ばくがないため妊婦さんや小児、被ばくを避けたい若年者にも適しています。腫瘍の詳細な描出や、腎臓の嚢胞・奇形の評価、さらには組織の性状(脂肪か出血かなど)も判断できます。例えば膀胱や前立腺、腎臓の腫瘍が疑われる場合、MRIでT2強調像や拡散強調像を見ることで良性・悪性の推定に役立つことがあります。ただしMRIは撮影に時間がかかり、金属が体内にある方は受けられないこともあるため、適宜判断します。
※当院で対応困難な高度な画像検査(CTやMRI、膀胱鏡検査など)が必要と判断した場合には、速やかに適切な設備の整った連携医療機関をご紹介しますのでご安心ください。
ストレスによる血尿の予防と対策
血尿を予防するには、泌尿器系の病気自体を防ぐこととともに、日常生活でストレスを溜めない工夫が欠かせません。ストレス性の体調悪化を防ぐことで、間接的に血尿の原因疾患も予防できます。以下は日常生活で今日から実践できるストレスケアのポイントです。
規則正しい睡眠習慣
毎日なるべく同じ時間に就寝・起床し、しっかりと睡眠時間を確保しましょう。睡眠中は体の修復とストレスホルモンのリセットが行われます。質の良い睡眠はコルチゾールの過剰分泌を抑え、免疫力維持にもつながります。
適度な運動
ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなど無理のない有酸素運動を週数回取り入れましょう。運動にはリラックス効果があり、自律神経のバランスを整えてくれます(副交感神経優位となりストレスホルモンが減少します)。
十分な水分補給
ストレスで忙しい時ほど意識的に水分をとりましょう。一日コップ6~8杯(1.5〜2リットル)程度を目安にします。水分をしっかり摂ることで尿が薄まり、腎結石や膀胱炎の予防にもなります。特に結石が心配な方は尿を我慢せずこまめに排尿する習慣も大切です。
食生活の見直し
野菜や果物、海藻類など抗酸化物質の豊富な食品を積極的に摂り、ビタミンB群・ビタミンCもしっかり補給しましょう。ストレス状態ではビタミンやミネラルの消耗が激しいため、バランスの良い食事が基本です。反対にカフェインやアルコール、刺激物の過剰摂取は控えめに。これらは一時的な気晴らしになりますが、摂りすぎるとかえって睡眠を妨げたり自律神経を乱す原因になります。適量を守り、飲み過ぎ食べ過ぎに注意しましょう。
リラクゼーションと休養
日々の中でリラックスできる時間を持つことも重要です。入浴で体を温める、ストレッチや深呼吸をする、趣味に没頭する、場合によっては専門家によるカウンセリングを受けるなど、自分なりのストレス解消法を見つけてください。心身の緊張を解いてあげることで、泌尿器のみならず全身の健康維持につながります。
もし血尿が出てしまったら…
尿に血が混じっているのを発見したら、決して放置しないでください。まず落ち着いて、以下の点を確認しましょう。
- 強い痛みや高熱はありますか?
もし激しい側腹部痛や38℃以上の発熱を伴う場合、腎臓結石の嵌頓や腎盂腎炎など緊急性の高い状態が考えられます。我慢せず救急車を呼ぶことも検討してください。特に痛みで動けない、意識がもうろうとする、高熱で震えがある等の症状があれば躊躇しないでください。
- 強い痛みや高熱はありますか?
痛みや発熱がない場合も、早めに医療機関へ。 痛みがなく血尿だけが出ている場合でも、早めに泌尿器科を受診しましょう。痛みがないから軽症とは限りません。例えば初期の膀胱がんや腎臓がんは痛みを伴わず血尿だけが出ることもありますし、慢性腎炎など自覚症状に乏しい病気の可能性もあります。「様子を見る」判断は禁物です。専門医による評価を受け、必要な検査と治療を開始することが安心につながります。
当院(巣鴨駅前たかはし泌尿器科)の外来でも血尿に関するご相談・検査を承っております。「もしかして血尿かも?」と不安に感じたら、お一人で悩まずにまずはご連絡ください。早期発見・早期治療が何より大切です。
ご予約はこちらから
https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg09347
文責
巣鴨駅前たかはし泌尿器科
院長 髙橋 遼平